仙台における居酒屋キャッチの禁じ手
先週、仙台に行っておりました。
「大寒波が押し寄せるなか、なぜお前は北上してしまったのだ」
私が大阪に住んでいるという、大トロ級のレアな情報をお持ちだった方は、そう思われることでしょう。
私だってわかってます。夜の気温はマイナス2度なんて言っていましたし、できることなら凍死は避けたい。
でも…
でも…仕方がないのです…
というのも…
我らが牛タンーーーーンンン
最強の親子丼「はらこ飯」
シャレオツ担々麺…
etc....
そうです。仙台が誇るデリシャス達です。こいつらが私を呼んでいたのです。
嗚呼、 ワンダフルシティ仙台。
特に夜は「寒いしできれば外に出たくねえな…」なんて思うのですが、ワンダフルシティが誇るグルメ達は、寒い寒い夜だって私を繁華街へといざないます。
さて。長くなりましたが本題です。タイトルからお察しの方もいらっしゃることでしょう。
そこで出会うのはいわゆる「居酒屋キャッチ」と呼ばれる方々。知らない人のために端的に説明いたしますと、「捕獲能力の高い陽キャ」です。
前を通るものなら、厳重なる私のパーソナルスペースまでもをいとも簡単に突破し、「お安くしますよ〜」「ちょっと聞いてください!」「もう今晩お決まりです?」。そうして、歩行者たちを彼らの巣へと放り込んでゆくのです。また、制服はほぼほぼ統一されており、夏は白VネックTシャツ、冬はカナダグース。
お仕事として頑張っておられるのに本当に申し訳ないのですが、目にするなり反射的に「逃ゲネバ、食ワレル」と本能が働いて避けてしまいます。相手もお仕事でやっていると頭ではわかっているのですが、体が勝手に逃げてしまって。だって超グイグイ来るんだもん。押されたら逃げるじゃん、女の子だもんっ。ごめんねっ。
…。
さて、以上が私の居酒屋キャッチについての認識です。要約すれば、居酒屋の客引きです。グイグイ来ます。
しかし、私の中のキャッチの概念が崩壊するような出来事が起こりました。
仙台駅近くの繁華街を歩いていた時のことです。右目の右端に金髪カナダグースが映り込みました。「…でた……!逃げねば…!」そうです、キャッチです。彼らには申し訳なく思いつつも、グイグイ来られたくない私は逃走を試みます。
そしてその時。
「…ぉ店…近いっすょ…。(震え声)」
おん???
「ぼく店長に電話して安くします……お願いします…」
フォ???
「もぅ…望みは……、ありませんか?(子犬のような目)」
…
…
…
私達「かわいそぉ…安いなら入るぅ…」
なんと、グイグイ来ない。こんなに下からくる上に、かわいそうなキャッチ隊に出会うのは人生で初めてでした。
仕方ない。キャッチに捕まってあげた私。
食べ終えた後も、通り過ぎる全てのキャッチ達に向かって、店に入ってあげることのできない謝罪と、過酷な耐久レースに挑む彼らに声援を投げ返す私。「おでん食べたからご飯はいらないのぉおおん!入ってあげられなくてごめんねえええェェp@lp@ki@nrmiao!」
居酒屋で働いているわけでもないのに、彼らの未来に希望を持たせてあげる私。「大阪来た時は任せてくだサーーいいいい!」
だってめちゃめちゃ頑張ってるじゃないですか、彼ら。極寒の中、無視されたり、軽くかわされたり本当にかわいそう。スルーする人って感情持ってないんですかね????
そして、ふと気づいたんです。
(仙台名物 せり鍋)
「なんで、おでん食べたのに、今、鍋食べてんだ?」
奴らには気をつけてください。
〜完〜
あっ、キツネも可愛かったです。
キツネがたくさんいるとは聞いていたのですが、想像を超えて来ました。 pic.twitter.com/C5NwHBpudI
— 茶山ぴなつ (@pinatsu_cha) 2018年1月11日